ある日、未経験からIT企業に転職して1年目のはるすと君は、プロジェクトで社外から貸与されたWindowsのノートパソコンを、会社のネットワークに繋いで使用する必要がありました。
社内ネットワークは登録された端末しか使用できないので、情報システム部門に許可をもらいに行きました。
このパソコンを会社で使いたいんです。
わかりました。では、MACアドレスを教えてください。
あの、これWindowsなんですが・・・
いや、そうじゃなくて(笑)
イーサネットの方(笑)
・・・・・???
瞬時に、「あ、これはOSが何であろうとパソコンに割り振られるもので、きっとOSのMacとは別物なんだな」ということを察知した私は穴があったら入りたいほどの恥ずかしさを感じました。
同じように「???」と思ったあなた!!あなたは運が良い!もう大丈夫です!
この記事を読んで私と同じ恥ずかしめに遭わないようにしてください!!
MACアドレス(=イーサネットアドレス)とは
MACアドレスとは、Media Access Control addressの略で、
ネットワーク機器に一意に与えられる、ネットワーク上の住所
です。イーサネットアドレスとも言います。なんと、あのかっこいいりんごのマークがついたパソコンとは全くの別物です!!私が解説するまでもなく、調べれば他にもたくさんの記事で知ることができます。例えば、
具体的には、16進数(0~F)の12桁(01-23-45-67-89-ABまたは01:23:45:67:89:ABの形式)で表現されており、Windowsでは「物理アドレス」として調べることができます。
- Windowsでの調べ方:NEC LAVIE公式サイト
- Mac OSでの調べ方:Too クリエイターズFAQ
Windowsの「コマンドプロンプト」で調べる方法であれば、バージョンが何だろうと(Windows7だろうと10だろうと)、同じ方法で確認できると思います。
イーサネット(Ethernet)とは
先ほど「MACアドレスはイーサネットアドレスとも言う」と書きましたが、イーサネットでピンと来ない人にとっては驚くほど役に立たない完全な蛇足だったことでしょう。その責任をとってここでざっくりと意味を押さえておきたいと思います。
イーサネットとは、LANケーブルの端子とその差込口(の規格)のことです!(わかりやすさを重視しているので、厳密に言うと違うという点はご承知おきください)
正確には、パソコンなどの機器をネットワークに有線接続する際の通信規格のことです。インターネットに有線で接続するための標準規格であり、最も広く普及しているのがLANケーブルなので、一般的には上記理解で特に問題はないでしょう。ただ、イーサネットの規格に則ったケーブルは他にもあり、昔からテレビなどでよく使われている同軸ケーブルや、「光回線」でお馴染みの光ファイバーケーブルなども、イーサネットです。イーサネットの規格を採用した機器のうち代表的なものがLANケーブルという理解の方が正確ですね。
参考:イーサネットとLANケーブルは同じ?通信規格とその種類
MACアドレスは1台のパソコンに複数ある
お持ちのパソコンのMACアドレスを調べてみるとわかるのですが、なんと複数出てきます。
イーサネット(LAN)やWiFi(無線)など、通信方式によって、それぞれMACアドレスが割り当てられているのです。
NICの存在を知っている方であれば理解が容易いかと思いますので、わわわIT用語辞典で概要をつかんでください。
とにかく、最初はMACアドレスは複数ある!というのを覚えておいていただければ私のようにびっくりしなくて済みます。
NICとは
MACとかNICとかややこしくなってきたので、NICについても軽く書いておきます。
NICとは、LANケーブルなどの差込口と基盤のセット(パソコンの部品)のことで、ネットワークインターフェイスカード(Network Interface Card)の略です。
NICには別名がたくさんあるそうです。「ネットワークカード」「ネットワークアダプタ」「LANアダプタ」「LANボード」「LANカード」「Ethernetアダプタ」などと呼ぶこともありしかも微妙な使い分けもあるようです。このあたりは流派がわかれそうなところなので、最初のうちは「あー、NICのことね」って思っておけば良いかと思います。
MACアドレスとIPアドレスとの違い
MACアドレスは初めて聞いたけど、IPアドレスは知っているよ!という方は多いと思います。
その中で、IPアドレスの意味を「インターネットにおける住所のようなもの」とざっくり理解されている方の中には、
「え、MACアドレスって、IPアドレスとは何が違うの?」
と考える方もいらっしゃることでしょう。
かくいう私もそう思いました。
これに関しては、明確な違いがあります。詳しい説明は上記参考文献に譲りますが、要所だけ抜くと、
- MACアドレス:どのメーカーのどの機器か、という「次の」送り先の情報
- IPアドレス:どのネットワークのどの端末か、という「最終的な」送り先の情報
という違いです。MACアドレスは、データが経由する機器毎に書き換えられていきますが、IPアドレスは、最終的に届ける場所を示し続けます。そうすることで、「このデータは最終的にどこどこ(IPアドレス)に届けるために、次はどこどこ(MACアドレス)に送るんだな」という情報を常に把握しながらデータ転送されています。どちらも重要なのです。
また、MACアドレスは「どのメーカの」どの機器か、という割り当て方をしているので、基本的に後から変更できません。IPアドレスは、「どのネットワークの」どの機器か、という割り当て方なので、接続するネットワークが変われば当然IPアドレスも変わりますし、一意に決まっていさえすれば良いので、動的に変更される(=コロコロ変わる)ことが多いです。
私たちが普段ブラウザからインターネットにアクセスしているときなどは、IPアドレスはコロコロ変わる方が多いみたいですね。
MACアドレスを知らずに恥をかかないためのまとめ
- MACアドレス(=イーサネットアドレス)とは、ネットワーク機器(厳密に言うとNIC)に固有に一意に与えられる、ネットワーク上の住所のこと。
- OSのMACとは全くの別物!!
- MACアドレスは1台のパソコンの中にも複数ある。
- IPアドレスと似ているのでセットで覚えてあげて。
あんな恥をかくのは私だけで十分だ!
最後まで読んでくださってありがとうございました!
ちなみに、OSのMACについて検討されている方、この記事は読んでおいてください。
そもそもOSって?という方はこちら
これからITエンジニアになりたいと思っている方には、王道のキャリアチェンジの仕方を知ってほしいと思います。まずはポートフォリオサイトを作りましょう!
画像提供:Free-PhotosによるPixabayからの画像
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