先日、あるソフトウェア開発プロジェクトの定例ミーティングで、
もう納期は今月末。
このタスクは、最終的には「札束で殴る」という手もあるので、もっと優先順位の高いタスクに専念しましょう
という発言を聞きました。
「札束で殴る??」
ググっても、似たような言葉は出てくるのですが、ビジネスでの使用例について触れられていませんでした。
そこで、そんな断片的な情報から判明した、「札束で殴る」の意味を解説していきたいと思います。
「札束で殴る」の意味:コスト最適化を諦める
語弊を恐れず簡単に言うと、お金で解決すること。
もう少し気を遣って言うなら、「コスト最適化は諦める(後回しにする)」ということ。
納期が迫っているのに、予定通り完成することが難しくなってきた、そんなときに、マンパワーをかけないとどうしようもないところに注力して、お金で解決できるところはお金で解決してしまおうということのようです。ものづくりの「SQCD」で言うと、SQDを守るため、Cを諦めるということですね。利益は少なくなるが、信用は守れる。背に腹は変えられない。そういった状況で使われる言葉のようです。
特に、お金をかけて外注してしまえば、その分社内のリソースを浮かすことができますので、スケジュールには余裕ができます。自分で開発せずに、既存のサービスを利用するという手もあるでしょう。また、コスト効率の悪い構造を、コスト最適化しようとすると手間がかかるので、アウトプットが同じならとりあえずそのまま放置しておく、ということを指す場合もあるでしょう。具体的にはケースバイケースですが、だいたいそんなところを意味する言葉と考えられます。
「札束で殴る」の使用方法:使わないことを推奨
ビジネスの場で使うのに相応しいかどうかでいうと非常に疑問なので、自ら使うことは個人的には推奨しません。
聞いたときにびっくりしないようにしておいて、意図していることが理解できれば十分かと。
参加していた客先のプロジェクトは結構フランクなメンバーだったので、そんな言葉が出てきたのかなーと思います。
「札束で殴る」の由来:札束で殴るゲーム
察するに、「札束で殴るゲーム」からの転用。
「札束で殴るゲーム」は、「札束で頬を張る」からの転用。
「札束ビンタ」という言葉もあるらしい。(よく漫画に出てくるんですか?)
「札束に火を付ける」(=大金を投じる)という表現も聞いたことありますね。
いずれも、「札束」は大金の象徴で、「札束」が出てくる慣用句には、(金を軽んじるという意味もやや含まって)金に物を言わす的な意味があるようです。が、もう少しマイルドな意味でも使われるようになってきているということですね。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
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