OSはWindowsとMacとLinuxの3種類が有名どころ、なんて理解でインフラエンジニアになったプログラマーですが、初めてUbuntuを知り、RHELを知り、RHELがRed Hat Enterprise Linux Serverの略でなんとLinuxだったことを知り、あれ、そう言えばUNIXってのも聞いたことあるぞ?Debian系?BSD系?わけわからん!となってまとめることにしました。
樹形図にして全体像を俯瞰すると、色々モヤモヤしていたところが見えてきました!
この記事では、OSの種類を樹形図にして全体像を提供しています。また、それぞれのOSの特徴や違いも付記していますので、この記事を読めばOSの全体像がよくわかると思います。
そもそもOS(Operating System / オペレーティングシステム)とは?
直訳すると「操作するためのシステム」 ですが、「パソコンをパソコンたらしめている一番基本的なソフトウェアの集まり」という理解が良いです。「パソコン」をスマホやタブレットに置き換えても同様です。
OSがなかったらパソコンは電源を入れても何も映りませんし、当然キーボードやマウスで何か操作をすることはできません。
OSが入って初めて、キーボードやマウスで操作できて、ファイルを保存したりインターネットにアクセスしたりすることが出来るんですね。
- あくまでOSは複数のソフトウェアの集合体である
- パソコンやスマホには必ずOSが必要
- OSには色々な種類がある。
このあたりを押さえておけば、前提知識としては十分かな、と思います。詳しくは他のサイトがわかりやすく解説してくれているのでこのあたりをご覧下さい。
スマホやパソコンのOSとは?初心者にもわかりやすく役割や種類を徹底解説!【PC初心者必見】
わわわIT用語辞典:オペレーティングシステム (OS)
OSの種類(樹形図で整理)
全てを表現するのはなかなか厳しいですが、メインどころを載せています。
それぞれ簡単に解説します。有料か無料か、パソコン用かスマホ&タブレット用かサーバー用か、企業向けか個人向けか、GUIが充実しているか否か、色々な観点でそれぞれ特徴があります。
1.Windowsシリーズ
1985年にMicrosoft社が発表。言わずと知れた4つの窓のマーク。OSは知らなくてもWindowsは知っているという人もたくさんいるのでは。私も初めて触ったパソコンはWindows 98でした。開発者のビル・ゲイツ氏も有名ですよね。
GUI操作に優れ、ユーザーが多いため使えるソフトウェアも多いのが特徴。パソコン用だけでなく、サーバー用、タブレット用など、OSのラインナップも豊富。
2.macOS(BSD系)
所謂Mac。1984年にApple社が開発。こちらも言わずと知れたりんごマーク。マック信者(=当時Windowsなどと比較して性能が劣るにも関わらずマックを愛用していたファン)の存在や、スタバでマック(=スターバックスコーヒーのようなオシャレなカフェでMacのパソコンを広げて作業する、ノマドワーカーに代表される新しい働き方の代名詞)という言葉に表されるように、スタイリッシュなデザインが人気です。
それだけではなく、他のOSをインストールできる、プリインストールされたソフトウェアが豊富、無料でアップデートできるなどメリットも盛りだくさん。iPhoneなどApple製品をメインでお使いの方は、Apple製品同士の連携がスムーズなのも大きな魅力でしょう。詳しくは、こちらのサイトを参考にしてみてください。
macOS(マックオーエス)とは?OSの機能や便利なポイント、購入方法のご紹介
ちなみに、macOSは、「技術的には直系ではないが、Classic Mac OS (Mac OS、System) の後継として、新たにBSD系UNIXをベースに開発された」とのこと(Wikipedia調べ)。このBSD(Berkeley Software Distribution)系は、1977年から1995年までカリフォルニア大学バークレー校で開発されたOSで、FreeBSD、NetBSD、OpenBSD、DragonFly BSD、BSD/OS など様々な種類があります。iPhoneやiPadのOSとして名高いiOSも、BSDから派生したDarwinカーネルが使われていることから、分類するとしたらBSD系に含まれると言えます。
3.Linux(Linuxディストリビューション)
フィンランド人のリーナス・トーバルズ氏が開発したパソコン向けOSで、じつはWindows、macOSに次いで、世界で広く使われているOSです。GUI機能に乏しい反面、軽い動作で使えるため、動作の安定性が求められるWebサーバーとして良く使われているようです。そして何より、オープンソース(ソースが公開されている)のため、無料でインストール可能。したがって、Linuxを元に開発した、所謂Linux派生のOSの種類は非常に多く、それぞれに名前がついています。
Linuxという名前のOSがある?
厳密にはLinuxというのはカーネルの名称で、Linuxというカーネルを入れたOSのことをLinuxディストリビューションと言います。つまりLinuxディストリビューションは、Linuxカーネルが入っているOSの総称です。
したがって、私は最初「Linux」という名前のOSがあると思っていたのですが、それは勘違いです。UbuntuやCentOSなどのOSがLinuxディストリビューションに該当するので、それらを総称して「Linux」と呼んでいるだけなのです。
例えば、「UbuntuはLinuxだ」というのは、「UbuntuはLinuxディストリビューションのひとつだ」を省略して言っているという意味では正しいのです。
これだけは覚えておいて損はないと思います。
Red Hat系
Red Hatは有料LinuxのシェアNo.1企業。主にサーバ分野で業務的な用途にて使用されています。メインのRHELは有料ですが、クローンであるCentOSや最新機能実験場のFedoraなどは無償で提供されています。パッケージ管理ソフトはrpm系(yum, dnf等を含む)を使用。
- RHEL (Red Hat Enterprise Linux Server):
- エンタープライズの名のとおり、企業向けのLinux。有料な分、「サポート」や「責任」という面で安心感があり日本企業でも非常に人気が高い。
- CentOS:
- 「RHELのクローン(RHELの有償部分を外したもの)」と考えるとわかりやすい。サポートがないのはもちろん、バイナリの中身や商用アプリケーションへの対応、バージョンアップのタイミングなど、やはり少々RHELに劣る。
- Fedora:
- FedoraはRed Hat社が支援しているコミュニティで、ここで培われた成果物はREHLに取り込まれる。いわば実験場なので、最先端の機能が積極的に採用される。
より詳しい内容は、下記サイトがわかりやすいです。
【Linuxの基礎知識】RHEL(レル)とは?
今更聞けない!CentOSとRed Hatの違いとは?
Debian系
ボランティアが中心になって開発を進めているようだが、侮るなかれ、無料でもユーザーフレンドリーで親切なOS。詳しくは、Debian社会契約を参照方(契約まで読みやすい)。Debian Project に感謝。パッケージ管理ソフトはapt系。
- Ubuntu:
- シンプルなデスクトップ画面が特長のひとつで、インストールするとすぐに使える。Linux初心者はとりあえずUbuntuと言っていい。日本語での説明も充実。ずっと無料と宣言済。このUbuntuから派生し、Linux mintやelementaryOS、ZorinOSなど様々な特徴豊かなLinuxディストリビューションが生まれている。詳しくは、下記外部リンクへ。
【目的別】初心者におすすめのLinuxディストリビューション7選
- シンプルなデスクトップ画面が特長のひとつで、インストールするとすぐに使える。Linux初心者はとりあえずUbuntuと言っていい。日本語での説明も充実。ずっと無料と宣言済。このUbuntuから派生し、Linux mintやelementaryOS、ZorinOSなど様々な特徴豊かなLinuxディストリビューションが生まれている。詳しくは、下記外部リンクへ。
- Debian GNU/Linux:
- Ubuntuの元となったディストリビューション。サーバー用。未だに根強い人気。
Google系?
Google社の開発したLinuxディストリビューションです。
- Android:
- スマートフォンと言えばAndroid、これがOSの名前そのものだったんですね。無償OSのため、各ハードウェアベンダーがそれらを自社仕様にカスタマイズしたうえでハードウェアと組み合わせ、販売を行っています。アプリが豊富なのも、そのためです。
- Chrome OS:
- 最近コスパが良いと話題のChromeBookに使われているOS。Linuxの弱点であるGUI機能を補強しており、Webブラウザの「Google Chrome」上でさまざまな機能を使えるため、新しくアプリをインストールせずとも色々な機能が使えます。その一方でWebに依存することとなるため、オフラインではできる作業が限られるのは、デメリットになりそうです。詳しくは、こちらの外部サイトを参考にしてみてください。
OSとは何か?初心者向けに基本的な知識や種類をわかりやすく解説
- 最近コスパが良いと話題のChromeBookに使われているOS。Linuxの弱点であるGUI機能を補強しており、Webブラウザの「Google Chrome」上でさまざまな機能を使えるため、新しくアプリをインストールせずとも色々な機能が使えます。その一方でWebに依存することとなるため、オフラインではできる作業が限られるのは、デメリットになりそうです。詳しくは、こちらの外部サイトを参考にしてみてください。
- Chromium OS:
- 基本的にChrome OSはChromebookに搭載されているだけで個人でOSだけ利用することは出来ないのですが、Chrome OSが元にしているオープンソースの「Chromium OS」なら個人で利用することが可能です。
「Google系」と呼ばれているのは見たことがありませんが、Googleの開発したOSが複数あったのでひとつのカテゴリーに入れてみました。
その他のLinuxディストリビューション
2021年6月現在、エンジニアとして触れる機会の多いLinuxはRed Hat系とDebian系の2強ですが、他にもSlack ware系やGentoo Linux、Arch Linuxなど、まだまだたくさんのOSがあります。触ったことがないのではっきりとしたことは言えませんが、これらは、初心者にはとっつきにくい反面、その分シンプルで優秀なOSだと言われています。他のLinuxディストリビューションにどんなものがあるか知りたい方は、例えばWikipediaなどを参照していただければと思いますが、最初のうちはこの記事に載っていることを把握しておけば十分でしょう。
もし、Linuxを扱うことになったら、WindowsやMacとは違うお作法が必要です。WindowsとLinuxでは、スーパーマ◯オブラザーズとド◯クエくらい違います。初めて触るなら、この記事の内容くらいはざっと押さえておくと良いでしょう。
4.その他のUNIX系(SystemV系など)
ここまで、BSD系、Linux系と、UNIXのOSを見てきましたが、他にも、SystemV(システムファイブ)などのUNIX系のOSがあります。所謂、商用UNIXと呼ばれているカテゴリーで、AIXやHP-UX、Solarisなど、様々な種類があります。
厳密に言うと、LinuxはUnixを真似て作っただけなので血のつながりはないのですが、「Windowsとは一線を画するということでUnix系」とまとめております。詳しくは下記外部サイトを御覧下さい。
3分間で人に説明できるようになるUnixとLinuxの違い
樹形図からわかること(樹形図の使い方)
系列が近ければ近いほど、出来ることが似ている
初期に大きく枝分かれしているほど、独自の開発をしているため、出来ることや操作が異なります。したがって、Windowsで出来たことがそのままUNIX系で出来ると思わない方が良い(その逆もしかり)です。大原則、OSが違えば、操作方法やできることが違います。大抵は、代替手段が用意されているので、方法や操作が異なるものの結局同じことが出来る場合も多いですが、「出来たらラッキー」くらいに思っておく方が心理的負担が軽くて済みます(体験済)。WindowsユーザーがMacやLinuxサーバーを初めて触るときのハードルの高さはここから来ていると思うんですよね。
逆に、樹形図で近いOSは、OSの名前が違っても同様の操作感が実現できます。例えばRHELとCentOSはほとんど同じコマンドが使用可能です(これはクローンなので当たり前と言えば当たり前なのですが)。FedoraとUbuntuは系統が異なるもののどちらもLinuxディストリビューションであることには変わりないので、パッケージ管理コマンドは異なるけれども、他のLinuxコマンドはたいてい共通して使えるという特徴があります。OS名でググってもエラー解決に繋がる記事がない場合は、系統が近くてより汎用的なOS名でググってみると、光が見えたりすることがあります。
ただし、パソコン用、スマホ&ダブレット用、サーバー用でそれぞれOSが異なる。
今回は、OSの系統を重視するため、パソコン用、スマホ&ダブレット用、サーバー用のOSをごっちゃに入れてみました。別々の系統は他のサイトでも紹介されているので、分けて見てみたいという方はそれぞれ調べてみてください。全部ひっくるめて、全体像を俯瞰したい方に、この記事で提示した樹形図が役に立てば幸いです!
最後まで読んでくださってありがとうございました!
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